かわさき市民しきんからのお知らせ
今回の助成プログラムは市民の方から親の遺産を「行政の支援からこぼれてしまった生活困窮者へのサポートに役立てたい」と当財団にご寄付いただいたことから立ち上げたものです。
寄付者の方の思いを大切にするため「生活困窮者へのサポート事業を行っている市民活動団体」に助成し、課題解決への支援を行おうとするものです。
助成の対象事業はNPOなどの市民活動団体が行う、「生活困窮者を支援すること」を目的とする事業であって、川崎市内が実施場所であり、かつ広く川崎市民に開かれた事業を対象とします。
対象事業1次募集:7月20日(火)~8月20日(金)
対象事業2次募集:9月24日(金)~10月24日(日)
対象事業の募集は終了しました。
事業実施期間は2021年12月~2022年11月
2次募集で助成が決まった市民活動団体と事業内容・助成金は以下の通りです。
【NPO法人 ホッとスペース中原】
事業名:こども学習支援
事業内容:地域では子どもたちの居場所や、親や子も困ったときに相談できる場が必要とされている。月1回行う子どもの学習支援を通して、そのような地域の場をつくる。
助成金:50万円
【桜本こども食堂】
事業名:外国につながる子ども入学応援プロジェクト
事業内容:川崎区内に住む外国につながる子どもの入学にかかる学用品の購入費用の一部をサポートすることを通じて、外国人住民が孤立することなく、安心してくらしていける多文化共生の地域づくりを進めていく。
助成金:30万円
【フードバンクかわさき】
事業名:フードバンク活動による困窮者支援
事業内容:企業、個人からの食品寄付を集め、利用者の生活状況やアレルギー等も留意し、提供する。 提供は週毎に利用者先に配達を主として提供する(一部送付の場合もあり)。また、サポート支援として食品提供と共に自立支援として総合的伴走型支援等を行う。
助成金:50万円
【社会福祉法人 川崎聖風福祉会】
事業名:てんとうむしハウス(共生食堂)
事業内容:家庭や学校以外で、安心・安全な居場所を提供し、幼児から高齢者までが集える共生食堂を目指す。こども食堂等における食中毒等の防止の為、滅菌庫を購入する。食器だけではなく調理器具に関しても滅菌庫で保管出来る事で、安全な調理・配膳に繋がり、ボランティアの作業軽減にも繋がる。
助成金:26万円
【NPO法人 ホッとスペース中原】 こども学習支援
大学生ボランティアを組織し、こども居場所づくりと学習支援を行った。活動の中で、地元の大戸こども文化センターや大戸小学校わくわくプラザと協働することができて活動の場が広がった。大学生にとっては地元密着型のボランティア活動を通じて気づきや学びの機会となった。
助成先団体の職員にも「こどもたちを地域で支えよう」という意識が醸成され、2023年度からの新たな取り組みのきっかけとなった。
また、不登校のお子さん一人(中学生)について、自宅での学習支援を行った。学習への意欲が向上し、学校への登校に繋がった。次年度も、自宅での学習支援は継続する。
助成金により新規の取り組みができ、支援対象者への効果、地域のネットワークの広がり、団体職員の意識の向上、大学生の気づきや学びなど、当初期待していた以上の成果があった。
【桜本こども食堂】 外国につながる子ども入学応援プロジェクト
2021年12月から2022年5月まで、川崎区内に住む外国につながる子どもの入学にかかる学用品の購入費用の一部をサポートし(小学生6人、中学生3人、高校生9人)、併せて入学に必要な書類の作成などのサポートも行った。小学生はランドセル、中学生は制服、高校生は制服や入学金などの費用に使った。
小中学生は義務教育のため公的な支援メニューもあるが、高校生に対する支援メニューがほとんどないため困窮するケースが多いことが分かった。教育分野と福祉分野が連携して公的な支援が受けられるような制度の必要性を感じた。新規の取組であるが継続が必要と感じた。
【フードバンクかわさき】 フードバンク活動による困窮者支援
生活困窮者に対して、フードバンクを通じて食品を提供して食生活の安定を図り、自立・社会復帰を支援する。自宅への訪問配達を基本としており生活相談にもつながっている。コロナ渦もあり支援対象者は増えている(一年間で延べ約1500世帯)。一方で寄付件数も増えている。
今回の助成金では、新しい複写機(故障したための代替え機)の購入、配達用車両の車検費用、ボランティア相互の通信費に充てて円滑な活動ができた。
【社会福祉法人 川崎聖風福祉会】 てんとうむしハウス(こども共生食堂)
こども共生食堂を通して、こどもの成長や地域の意識醸成に加えて、家庭内における支援を要する生活ニーズ(高齢者、障害者、生活困窮等)を発見し、必要に応じて相談、支援に繋げた。食堂に来所することが難しい様々な事情を抱えた家庭に対しては配食を行った。
川崎区社協、地域みまもり支援センターとの連携ができた。
今回の助成金では、より安全な食堂運営のため調理器具等の殺菌のための滅菌庫を購入し、調理・配膳に関してリスク軽減を図った。運営のための人的負担が大幅に軽減した。
事業実施期間は2021年10月~2022年9月
1次募集で助成が決まった市民活動団体と事業内容・助成金は以下の通りです。
【NPO法人 川崎水曜パトロールの会】
事業名:ホームレス巡回相談事業
事業内容:野宿生活をしているホームレスに対し、ホームレス巡回相談員により、相談活動を行い、抱える問題を把握し、必要な援助が受けられるようにすることにより自立を支援することを目的にします。
助成金:50万円
【カラカサン ―移住女性のためのエンパワメントセンター―】
事業名:外国籍移住女性のためのエンパワメント
事業内容:新型コロナの影響を受けて困窮する移住女性の置かれている状況を改善することを目的に、特に支援を必要とするシングルマザー家庭等への食糧支援、困難を抱える状況を打破するための相談支援、適切な行政窓口への同行支援、および生活自立に向けた支援を行います。
助成金:50万円
【NPO法人 フリースペースたまりば】
事業名:困っている方のニーズを聞き取り、寄り添う「えんくるCAFÉ事業」
事業内容:現在の「えんくるCAFÉ」事業において、コミュニティカフェ機能を強化するとともに、しっかりと利用者のニーズを受け止め、必要な支援に繋げていける機能をプラスしていきます。具体的には黄色信号の利用者に対して毎月1回相談CAFÉを開催することで、継続的かつ定期的な支援を実施します。
助成金:50万円
【NPO法人 川崎水曜パトロールの会】
ホームレス巡回相談事業(川崎市からの助成金事業も含む)
野宿生活をしているホームレスに対し、ホームレス巡回相談員による相談活動及び食料配布などを行った。
巡回相談は、日中、夜間、深夜と時間をずらして一年を通して月20回から30回程度実施し、月に延べ80人から100人程度と面談した。
年間 268回実施 延べ1098人を支援
今回の「いしずえ2021」の助成金で、人知れず隠れて生活する野宿者、行政の支援からこぼれてしまう方々へのサポートにアプローチしたが、長引くコロナ禍や物価高騰などの経済状況の悪化などを受けて未だ不十分と認識しており、食料配布、野宿者なりたての人に対する相談などを拡充していくとの報告がありました。
【カラカサン ~移住女性のためのエンパワメントセンター~】
外国籍移住女性のためのエンパワメント
新型コロナの影響を受けて困窮する移住女性の置かれている状況を改善するため、電話相談・対面相談を週2回程度、役所・病院・学校・弁護士事務所・家庭裁判所・入国管理局等への同行支援を月2回程度行った。支援者数;延べ216人
また、困窮する母子家庭などを対象とした食料支援活動を通年で実施した。支援者数;26世帯60人
フォローアップケアとして、家庭訪問・カウンセリングなどを通年で実施した。支援者数;延べ100人
2022年1月から自立支援プロジェクトとして、マッサージ・料理・語学の教室を開始した。支援者数;延べ72人 語学教室では、4人の女性が神奈川県認可の語学講師養成講座を修了し、内2人はこのスキルを活かして就業した。
今後とも、移住女性の出身国や世代などの変化(高齢化等)によって生まれた新たなニーズに対応する必要があると報告がありました。
【NPO法人 フリースペースたまりば】
困っている方のニーズを聴き取り、寄り添う「えんくるCAFÉ事業」
コミュニティカフェやフードパントリー利用者などで個別相談を希望する方に対して、2022年2月から8月までに1回2組1時間の相談カフェを10回実施した。支援者数;20組22人
生活の困窮、人間関係や健康問題、子どもの教育や生活環境などへの相談を受けた。予想していたよりも深刻な相談が多かった。多くの人から居場所として認知されるようになり、関係機関や組織からの問い合わせが多くなった。
行政、地域企業、地域NPO,学生などのステークホルダーが緩やかに繋がる仕組みができたので、今後は地域全体で困窮者を支えるような体制に移行していきたいとの報告がありました。